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「令和4年度税制改正について」2022.1.7

カテゴリー:お役立ち情報 , 法人税 , 消費税

  1.   I. 法人税関連

  1.   中小企業に対する所得拡大促進税制の見直し

・賃上げによる所得拡大を促進する目的で、適用要件「雇用者給与等支給額が前年比1.5%以上増加」は変わらず、基本の税額控除率15%に対して、雇用者給与等支給額が対前年度比2.5%以上増加した場合は15%を上乗せし、教育訓練費が対前年度比で10%以上増加した場合はさらに10%上乗せ(最大で40%)され、当該税制の適用期限が令和6年3月31日まで1年延長されます。

・控除税額は法人税額の20%が上限です。

 2.  オープンイノベーション促進税制の拡充

・資金の払込みによる出資の一定額の所得控除を認めるというオープンイノベーション税制の要件について、売上高に占める研究開発費の割合が10%以上の赤字会社にあっては、設立の日以後の期間を15年未満(現行:10年未満)とし、対象となる特定株式の保有見込期間要件における保有見込期間の下限及び取崩し事由に該当することとなった場合に特別勘定を取り崩して益金算入する期間を取得の日から3年(現行:5年)とし、特定事業活動を継続する期間についても3年(現行:5年)とされ、適用期限が2年延長されます。

  3.   少額減価償却資産等から貸付用資産を除外

・少額減価償却資産の取得価額の損金算入制度について、対象資産から、取得価額が10万円未満の減価償却資産のうち貸付(主要な事業として行われるものを除く。)用に供したものが除外されます(所得税についても同様)。

・一括償却資産の損金算入制度について、対象資産から貸付(主要な事業として行われるものを除く。)用に供したものが除外されます(所得税についても同様)。

・中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例について、対象資産から貸付(主要な事業として行われるものを除く。)用に供したものが除外され(所得税についても同様)適用期限が2年延長されます。

  4.   完全子法人、関連法人からの配当の源泉所得税の不適用

・一定の内国法人が支払を受ける配当等で次に掲げるものについては、令和5年10月1日以後に支払を受けるべき配当等の源泉所得税徴収を行わないこととされます。

①  完全子法人株式等(株式等保有割合100%)に係る配当等

②  内国法人が直接に発行済株式等の3分の1超保有する他の内国法人の株式等に係る配当等

 

     II. 消費税関連

  1.   適格請求書発行事業者の登録の見直し

・免税事業者は現行令和5年10月1日の属する課税期間の後の課税期間に適格請求書発行事業者の登録を受けることができないこととされていましたが、令和5年10月1日から令和11年9月30日までの日の属する課税期間中に適格請求書発行事業者の登録を受ける場合には、その登録日から適格請求書発行事業者となることができることとされます。

 

    III. 納税環境整備関連

   1.   帳簿の提出がない場合等の過少申告加算税の加重

・修正申告等があった時前に、帳簿の提示等が求められ、かつ、次に掲げる場合に該当するときは、過少申告加算税等について、10%(次の(2)は5%)加重されます。

(1)不記帳・不保存であった場合(その提出をしなかった場合)

(2)提出された帳簿について記載が不十分である場合

   2.   財産債務調書制度の見直し

・現行所得2千万円超かつ財産が3億円以上又は国外転出特例対象財産1億円以上を有する場合に提出義務ありますが、これに加えて所得2千万円以下でも財産が10億円以上の居住者も提出義務者とされます。

・財産債務調書の提出期限について、その年の翌年の6月30日(現行:翌年3月15日)とされます。

   3.   上場株式等の配当所得等に係る住民税課税方式の見直し

・上場株式等の配当所得等は現行所得税で総合課税、住民税で申告不要を選択できますが、公平性の観点から、所得税と住民税の課税方式を一致させることとされます。