代表取締役が非常勤取締役になって役員退職給与を支給する場合があります。
役員退職給与の損金算入時期については、株主総会の決議等により支給額が具体的に確定した事業年度が原則ですが、支給日の属する年度に支給額を損金経理した場合も認められています。
この役員退職給与について、短期的な資金繰りがつくまで実際の支払いを延ばしたい場合があります。分割払いの場合も上記のように支給日の属する年度に支給額を損金経理すれば認められるものの、次の点に注意する必要があります。
株主総会等で役員退職給与の総額を決めても支払時期及び支払額を具体的に定めていなかった場合、翌年分割払いした役員退職給与の損金算入が恣意的な処理になるという理由で否認された裁決事例があります。
従って、分割払いの場合も株主総会等で事前に支払時期及び支払額を具体的に定めておく必要があります。
また、分割払いの期間が長期になる場合、支給額を支給日の属する事業年度の損金とすることはできないと解されていますので、退職時又は分掌変更時から少なくとも3年以内に支払う必要があると考えられます。