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非嫡出子の相続分を定めた民法の規定を違憲とした最高裁決定2013.9.5

カテゴリー:お役立ち情報 , 相続税・贈与税

この9月4日に最高裁は非嫡出子(婚外子)の相続分を定めた民法の規定が憲法に違反し無効だとする決定をしました。

 

現在、民法900条では結婚していない男女間に生まれた非嫡出子(婚外子)の相続分は嫡出子の2分の1と定めています。

 

しかし、他に相続人がいない場合や、いたとしても嫡出子でない場合には、非嫡出子であっても、通常の子としての相続分をもらうことができます。例えば、相続人として、非嫡出子Cの他に嫡出子Bと妻Aがいる場合、妻Aが2分の1、子Bが3分の1となり、子Cは子Bの半分の6分の1が相続分となります。しかし、相続人として、非嫡出子Cの他に妻Aしか相続人がいない場合には、子Cも妻Aも相続分は2分の1となります。非嫡出子の相続分が制限されるのは嫡出子がいる場合だけです。

 

この民法の規定について、これまで憲法に違反するのではないかという議論はありましたが、1995年の最高裁大法廷決定では「規定は嫡出子を尊重するとともに、婚外子にも相続分を認めて保護しようとしたもので、著しく不合理とはいえない」として、「合憲」との判断が出されていました。

 

しかし、今回最高裁は「法律婚という制度自体は定着しているとしても、子にとって選択の余地がないことを理由に不利益を及ぼすことは許されない」として決定したものであり、法律婚という制度と法の下の平等について深く考えさせられるものがあります。